滑子航空機,覚書

飛行機好きで、写真を撮ったり、プラモを作ったり。

零戦32型を訪ねて太刀洗まで

 零戦は日本だけでも各地で見ることができる稀有な大戦機だ。しかし、翼端の角ばった32型は、その生産数の少なさもあってか完全な状態では世界的にもここでしか今のところ見ることができない。それが、大刀洗平和記念館である。

 

 福岡県にあった大刀洗陸軍飛行場は基地としての機能だけでなく、航空教育隊や航空機の工場まであった日本の航空機事業(といっても軍向けだが)の発展も担う拠点だったようだ。そのため、大規模な空襲の対象にもなってしまった。

 

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  零戦32型。この機体はラバウル航空基地に進出、その後マーシャル諸島のタロア島に移動、被弾放置されていたものを修復したもの。

 

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  2階からも撮影ができる。水平尾翼の大きさが際立つ。

 

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  こういうところを見ると、手を加えられているところは一目瞭然だ。一部がオリジナルじゃないとはいえ、それもいいじゃないのと思う。

 

 ちなみに、大刀洗平和記念館は他の展示も興味深く、特に97式戦闘機には圧倒された。おそらく、疾風を見た時以上に衝撃を受けた。撮影禁止なのが残念であるが、ぜひ一度見に行ってほしいと思う。桜弾機やト号機の紹介もされている。

 また、天井にはB-29の実物大を再現したフレームが設置されており、同時に地面に描かれている実物大の二式複座戦闘機のパネルとその大きさを比較することができる。

 

 そして、最後に・・・。

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 あのMH2000も見ることができるぞ。

 

アルバム

 

疾風を拝みに知覧まで

 およそ一か月限定で知覧特攻平和会館の疾風が撮影可能となっていたので見てきました。鹿児島は以前にも行ったことがあるのですが、さすがに撮影不可だとわざわざ知覧まで行こうと思わなかったのが正直なところ。

 

 今回は、福岡から九州新幹線鹿児島中央駅まで。そこからは路線バスで1時間半ほど揺られて知覧に向かうこととした。路線バスに1時間以上乗るというのが思った以上にしんどいので、もし鹿児島空港から行くことがあればレンタカーで行くべきだと思う。ちなみに、途中まで海沿いを走るのですが、途中からバスで峠攻めが始まります。

 

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 疾風ご対面。2000馬力級のエンジンである誉は他国の同クラスのエンジンと比較して直径が小さいことは確かであるが、紫電改と対面したときはむしろガタイのいい飛行機だなと感じた。しかし、今回疾風で感じたのは、確かにスマートな飛行機であるということだ。 

 

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  おそらく、それは非常に単純なことで、胴体が細長いからだろう。横に並べるとはっきりわかるのだろうが、エンジン直径が小さいくらいではその大きさをはかるのは難しそうだ。ついでなので、コルセアの写真も比較に貼ってみる。

 

Vought F4U Corsair

  プロペラ直径が違いすぎて比較が難しいか。

 

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  また中島の戦闘機といえば、プロペラ後流の影響を嫌った、下が膨らんだ垂直尾翼/ラダーが特徴的だ。曲技機であるEXTRA300やEDGE540もそのような形になっているので、今やおなじみの形状かもしれない。

 

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  主脚。非常にシンプルなつくりだ。

 

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  主脚庫内部。さすがに前後しているだろうが、密なボルトの配置からも小型化のために苦心していたことがうかがえる。

 ところで、コルゲートチューブが気になったのだが、さすがにレストア時のものだろうか。だいたい当時の電装品を見ると、配線には布のようなものを巻き付けてあるだけだ。

 

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 エンジンカウルが外されているので、誉エンジンをしっかり見ることができる。

機首に機関砲を積んでいるため、上側には少し空間ができている。しかし、それ以外はカウルとの隙間はほとんどない。

 

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  この密度の高さを見るだけで、整備員泣かせといってもいいだろう。冷却フィンの密度も恐ろしい。ゴミ詰まったら取れなさそうだ。

 

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  潤滑オイルのタンク。ところでカウルはカムロック的なもので止めているのだろうか。よくみると、エンジンカウル取り付け孔には必ず左右にリベットがついているようだが。

 

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  プロペラスピナーも外されているので、電動式のプロペラピッチ変更機構を見ることができる。といっても、モーターが見えるくらいか。

 

 全体を見ると非常に状態がいいのと同時に、細かいところにヘタリが見られる。おそらく動かしていないエンジンの内部はかなりくたびれているだろう。

 さて、この疾風はどのあたりまで飛行に適した状態で、どこまで飛行に適さない状態なのか。どうせ調査するなら、ただ傷のあるなしだけでなく、そのあたりまで詳細に調査してもらいたいところ。

 

 

アルバム

 

エアミュージアムコレクション

 脚本(Landing Gears)でおなじみの、いけちさんによるアメリカ航空博物館のガイド本。案外こういう本は売っておらず、日本から行くという点ではネットの情報もまとまっていなかったりと、うまくヒットしないことがある。

 

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 12個(+α)の航空博物館が紹介されており、なによりうれしいのが博物館までの行き方が詳細に書かれていること。また、博物館によってはざっくりどれくらい見るのに時間がかかるかも書かれているので、予定も立てやすくなっている。

 

 巻末にはアメリカでは必須となるドライブガイド(レンタカーの借り方も!)が書かれているので、初めて行く人も安心して(?)博物館めぐりを楽しむことができそうだ。

 ちなみに、私は今年軽率にオシュコシュに行く予定です。

 

小牧基地オープンベース2019 その2

小牧基地オープンベース2019のつづき。

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 バケツリレー中のチヌークをあえてアップで撮ってみる。つり上げはそうなっているのね。 

 

 そして最後にブルーインパルス

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 小牧基地ではアクロバットは行いませんが、見事な編隊飛行で魅了します。

快晴でスモークもばっちり。

 

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  やや逆光気味になってしまうところだけが残念。まあ、こればかりは仕方ない。

 

  戦闘機がぶんぶん飛ぶタイプの航空祭ではないので、終始のんびりと撮影することができるのが小牧基地のいいところ。次こそは、KC-767の機内をみたいなあ。

 

小牧基地オープンベース2019 その1

 小牧基地オープンベース2019。小牧基地オープンベースはその年の最初の航空祭にして、年度最後となる航空祭

 昨年の来場者数が1万人に対して、ブルーインパルスが来るというだけで、来場者数は6.4万人と激増したようです。ブルー人気はいつもながら驚かされます。

 

 楽しみにしていたKC-767の機内公開は中止となっていましたが、こうなれば飛行展示を楽しむしかない。昨年のC-2機内展示の激混み具合を考えると、もしかしたら人数激増を見こして、機内展示を中止したのかもしれませんね。

 

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 今年は C-130の編隊飛行ではなく、KC-767との編隊飛行がオープニングフライトとなりました。今年のC-130は少しおとなしめで、フライト機数も少なめ。

 

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 空中給油機に空中給油をするデモフライト。ブームを出さないのはなんででしょうかね。しかしまあ、こんなに近くで編隊飛行ができるのはすごいなあと、いつもながらに思う。

 

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  岐阜のF-15とも空中給油デモを行うKC-767。

 

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 小牧基地特有の都合、あんまり機敏には飛ばせないF-15。それでも十分に楽しませてくれるフライトをしてくれた。やはり戦闘機は定期的にみないとだめだ。

 

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  着陸に向けて旋回するC-130。高度低めの大型機の急旋回は迫力があります。こうやって2機が重なると急に密度が高くなっていい感じ。

 

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  救難デモフライトを行うUH-60J。

洋上迷彩塗装は暗くて撮影が難しいのですが、この日は晴れてくれて光線もばっちり。

ヘリコプターは固定翼ではできないタイトなターンを見せてくれるので、撮影も楽しいですね。

 

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  愛知県防災ヘリコプターの救助デモフライト後の着陸。左右から人が下を見ながら着陸しているのがなかなかおもしろい。

 

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  海上保安庁によるデモフライト。こちらはサイレンを鳴らしながらのフライトだ。

 

 少し長くなったので、その2に続く。

 

久々の名古屋空港撮影

 小牧基地オープンベース2019の前日撮影。名古屋空港で撮影するときはIRAN機狙いとなりますが、この日は航空祭前日のため外来機狙いとなります。

 とはいえ平日の撮影のため、ジェネアビもしっかり狙っていきます。

 

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 JA01KJ C525

 川崎重工業の社用機でしょうか。たしか、川重はバロンを持っているはずですが、追加したのですかね。しかもジェット機ですよ。 

 

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  JA6935 AW109

 日本デジタル研究所有機。まあ、アイベックスですな。みたことのない水色塗装です。

 

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 JA120N C560

 サイテーションを真下から。

 

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 JA10YM AW109

 富山県のドクターヘリ。かんじきを装備していますが、この場合は脚は収納できないようですね。

 

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 JA03FJ E175

 FDA三号機。再塗装されてピカピカ。レドームが予備を使用しているようですが、これはこれでいいバランスですね。意外とマッチしています。

 

  続いて自衛隊機。

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 T-400

 美保基地所属の練習機。好きな機体なので、見れるとうれしいですね。

 

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 C-1

 入間基地所属の輸送機。通常の輸送任務と思われます。退役も近くなっているとは思いますが、もう少しきれいにしてあげてほしい。。。

 

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  C-1初号機

 岐阜基地所属。ひさびさに見ましたが、こちらはまだまだきれいです。

C-1最初の機体であり、最後の退役することになるのでしょうか?

 

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 F-15J

 デリバリーフライト。小松にむかったようです。

 

 長くなってきたので外来機ネタは後々書くことにして、次はオープンベース本番の記事にしましょう。

 

SUKABU画集 メカのある風景

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SUKABU画集 メカのある風景

新紀元社

 

 副題が「メカのある風景」ですが、風景であり、日常にメカがいるのがとてもよい、楽しい画集です。メカが自然に生活に溶け込んでいて、実際にありそうに思わせる絵がおもしろい。