滑子航空機,覚書

飛行機好きで、写真を撮ったり、プラモを作ったり。

飛行機のV-n線図と重心許容範囲計算の実例本のレビュー

 長いタイトルですが、今回レビューする本はこういう言い方にすると何を見てるのかがわかりやすいかなと。

 

 飛行機の設計と製作-2 超軽量動力機の型式証明申請に基づく空力強度計算の実例

著者 (有)オリンポス

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 ずいぶん前にレビューした本のシリーズ第2弾ですね。

 タイトルには「型式証明」とありますが、型式認定を取るうえでの提出書類をまとめたものとのこと。型式証明と認定って何か違うんですかね。言葉だけ?

 

 空力強度計算のところもいいのですが、機体の各部写真や、使用材料リスト、飛行規程なんかも載っており、そのあたりを見るだけでもいろいろおもしろいですね。

空力強度計算については、V-n線図作成に関する各計算と、重心位置の許容範囲の計算がメインとなっています。実例なので具体的にどういう計算をしているのかがわかりやすいですが、耐空性審査要領から式をそのまま引用している式については中身の意味は別途調べるとよさそうです。

 

 本書とあわせて読みたい本がAircraft Performance Stability and Control、通称スタコン。

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 写真の通り洋書であるが、相互に本を読み合わせることでそれぞれの内容を補完して理解がしやすいように思われます(主にChaper5と6について)。

注意したいのは「超軽量動力機の~」と「スタコン」では重心に対しての式の整理の仕方が異なるため、完全な一対一対応ではないことだろうか。個人的には「超軽量動力機の~」の方が、設計時には扱いやすいのではないかと思います。

 

 それぞれいい感じに読み合わせた後に「スタコン」を読みこんでいくのもいいですね。