航空機を後世に遺す
横山晋太郎
グランプリ出版
かかみがはら航空宇宙科学博物館(現:岐阜かかみがはら航空宇宙博物館)の開館前の航空機収集と、開館後の航空機収集について、当事者の話を読むことができます。
(収集に関しては、あきらかに整合性がとれていないと思われるところもある)
また、博物館としての(もしくは著者個人の)航空機を文化財として残す考え方は、当時日本に航空博物館がなかった(厳密な話は割愛)中で、スミソニアン博物館をリスペクトする中で固められていったことがよくわかる。
飛行機をどう保存していくかは人によって考え方がかなり違っていて、個人的には飛ばせる飛行機は動態保存、定期的に飛ばしてやるのが一番いいと思っている。
もちろん、飛ばせるからといっても翼の桁からすべて新調してしまうと、文化財的な価値は小さくなってしまうだろうが、やっぱり飛んでる飛行機をみて「かっけーなあ!」っていう感動が沸き起こるのがいいと思うわけです。
しかし、純粋に文化財を残すという視点に立てば、飛ばさずに後生大事に屋根の下に保存するのがよく、部品は極力当時のものをそろえてやることも理解できるので人それぞれだなあというのが正直なところ。
ちなみに表紙に飛燕の写真がありますが、ほとんど触れられていませんでした。