最近、メーヴェっぽい飛行機ことM-02Jが頻繁に試験飛行をしているという話を見て、そういえば、と今頃になって思い出した滝川でのビンテージグライダーの分解作業の写真。
今では安住の地を失いつつあり、今後の行方も決まっていないビンテージグライダーたち。今後、このような分解作業に関われることはないかもしれない。そんな中で、分解作業の写真は残しておくべきだよなあということで簡単にまとめてみようと思う。
今回はGö 3 ミニモア。
展示中のミニモア。 初飛行は1935年でドイツ製の単座機。いまでもDiscusやNimbusで有名な、Schempp-Hirth社製のグライダーだ。
ちなみに操縦そのものはクセがあり、簡単ではないそうだ。
尾翼取り外し
水平尾翼の取り外し作業。
左側に開いている孔は、胴体側の操縦リンケージとエレベーターをつなげるためのメンテホール。三点締結ですべてナットで締結する。ASK21などの最近の(といっても古いが)グライダーだと二点は胴体側にピンが生えていて差し込むだけ、締結そのものは一点のみとなっているので大きく違う。
垂直尾翼はオールフライング式ですね。横にでている板は舵角制限のためのものと思われます。一つ前の写真の、垂直尾翼から伸びる棒状のものはマスバランスでしょう。
垂直尾翼は一人で運ぶことができる。
主翼取り外し
フェアリングを外すとこんな感じ。
この辺りも最近のグライダーとは異なり、胴体の外側で結合されている。人力飛行機で木径ボックス桁構造を採用していた身としては、見慣れた構造であるが。
主翼桁はボルト-ナット締結でコッターピンで抜け止めされている。手前の細いロッドはスポイラーのリンケージ。
先ほどの尾翼締結を見てもそうなのだが、締結構造からあまり頻繁な組みばらしを想定した構造ではないように感じた。当時としては普通なのかもしれないが。
主翼を外す。写真左側のロッドはエルロン用。
こちらは胴体側。胴体にメンテホールの蓋らしきものがあるが、詳細不明。
もう一度主翼側に戻ってみると、主桁はD型BOX桁だが締結部では後縁側で締結していることがわかる。おそらく、根本付近で白い箇所が斜めになっているところに斜めの強度リブが入っているのだろう。
この写真でみると、桁に対してスポイラーが半端な位置にあるように見える。リブでがんばるタイプのようだ。
結合にはテーパーピンが使用されている。ピンだけどボルトだ。
トレーラー搭載
ミニモアのトレーラーの中には様々なポスターが貼られている。たしか、グライダー競技会のポスターだったと記憶しているが、ぱっと見た感じだとすべてがそうというわけではなさそうだ。
トレーラーには写真のような台に主翼を乗せる。移動中にあばれないように蝶型ナットで止められている。
トレーラーに収納する際の移動用ころころ。
残るは胴体(主翼が一枚残ってるけど)。
トレーラーに乗せるための台車を取り付け。主輪の軸にピンを差し込んで取り付ける。
このままトレーラーに収納されます。
収納完了。トレーラー内での作業がちょっと多そうだ。手前に写っているのはキャノピー。
グライダーに乗り始め、その組みばらしもやってからビンテージ機の写真を見返してみると、違った点ばかりでなかなか新鮮だ。
次はMg19の分解記録。