第5弾。今回は表紙のレコードブレーカーという文字からもわかる通り、速度記録機にフォーカスした内容となっている。
飛行機の世界初動力飛行からまだ100年そこらしかたっていないのだが、X-15による有人飛行による速度記録は50年も前から塗り替えられていないというのがおもしろい。
そして、それまでの飛行機開発は速度記録との戦いであったといっても過言ではないのかもしれない。シュナイダー・カップは"紅の豚"のセリフにも出てくるくらいだから、知っている人も多いだろう。
そして、この本の主人公は民間によるレコードブレーカー達だ。
FAIの記録にはレシプロ機による速度記録など細かい記録があるため、その記録を打ち破ってやろうとする民間人があらわれるわけだ。
本書では昨年レシプロ機による速度記録を作った(FAI規定では2%以上記録を上回る必要があるためあくまで非公式ではあるが)Voodooのパイロットとエンジニア(というくくりでいいのだろうか)のインタビューを読むことができる。
"紫カラー時のVoodoo。手前のカート・・・"
Voodooは自分が見たことのある唯一のリノ・エアレーサー機であるので非常に興味深く読むことができた。主翼に求めている平滑度は、グライダー競技のそれに近いのかもしれない。グライダー競技だと、ワックスがけにポリッシングはあたりまえだそうだ。
日本語でこのような内容の記事を読むことはまずできないので、どこかの出版社、雑誌から出せればもっといいんだろうなあと思いつつ、次巻も楽しみにする。