この機にSolar Impulseの紹介記事でも書いてみましょう。
日本に飛んできたのはSolar Impulse2(以下SI2)で2号機です。2号機と言っても、1号機(以下SI1)からひとまわり大きくなっています。
というのも、あくまでSI1は技術実証をするための機体だったからです。その技術実証の中でアメリカ横断など、数々のフライトを行っています。
このプロジェクトはスイス連邦工科大学が中心となって進められており、世界の多くの企業がスポンサーについています。
SI1は世界で初めて夜間のフライトも可能となった機体、つまり、日中に発電した余剰電力をバッテリーに蓄えて、夜に飛行することが可能な機体です。
翼幅が63.4m、長さ21.85mで、全備重量が1.6tとかなり軽い。
これは、だいたいセスナ172(よく言われる軽飛行機で1.2t)より少し重いくらい。
また、必要なパワーはわずか40hpで400ccのバイクくらいのパワーで飛ぶことができます。
今回世界1周飛行に挑戦しているSI2はというと、翼幅が71.9m、長さが22.4m、全備重量で2.3t。必要パワーは約70hpで軽自動車と同程度。
しかし、このパワーもモーターの最大出力であり、実際に飛んでるときはもう少し少ないと思います。
“SI2の翼の長さはジャンボジェットに匹敵。こちらの重量は約400t”
ところで、なぜこの機体がすごいかというと、とにかく世界の最先端技術が集結していることにあります。
例えば、載ってる太陽電池ですが、これがエネルギー変換効率が23%もあります。
家庭の屋根に載っているもので最大効率のものでも20%を切るくらい。しかも、飛行機の載せるために軽量なものであり、翼の沿って取り付けるために曲げることができます。おそらく、実用的な太陽電池として世界最高の性能を持っています。
機体構造に関しては、実は日本でさかんな人力飛行機と大差ありません。CFRPボックス桁の単桁構造で、リブはトラスリブ。意外にも尾翼は矩形翼で、製作が簡単になるようにしているのだと思います。
“日本で開発中のソーラープレーンSP-1”
国産ソーラープレーンも今夏フライト予定だそうです。航空機開発では大きな遅れを取っている日本ですが、これを機により日本で航空機が注目されればと思います。