滑子航空機,覚書

飛行機好きで、写真を撮ったり、プラモを作ったり。

疾風を拝みに知覧まで

 およそ一か月限定で知覧特攻平和会館の疾風が撮影可能となっていたので見てきました。鹿児島は以前にも行ったことがあるのですが、さすがに撮影不可だとわざわざ知覧まで行こうと思わなかったのが正直なところ。

 

 今回は、福岡から九州新幹線鹿児島中央駅まで。そこからは路線バスで1時間半ほど揺られて知覧に向かうこととした。路線バスに1時間以上乗るというのが思った以上にしんどいので、もし鹿児島空港から行くことがあればレンタカーで行くべきだと思う。ちなみに、途中まで海沿いを走るのですが、途中からバスで峠攻めが始まります。

 

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 疾風ご対面。2000馬力級のエンジンである誉は他国の同クラスのエンジンと比較して直径が小さいことは確かであるが、紫電改と対面したときはむしろガタイのいい飛行機だなと感じた。しかし、今回疾風で感じたのは、確かにスマートな飛行機であるということだ。 

 

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  おそらく、それは非常に単純なことで、胴体が細長いからだろう。横に並べるとはっきりわかるのだろうが、エンジン直径が小さいくらいではその大きさをはかるのは難しそうだ。ついでなので、コルセアの写真も比較に貼ってみる。

 

Vought F4U Corsair

  プロペラ直径が違いすぎて比較が難しいか。

 

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  また中島の戦闘機といえば、プロペラ後流の影響を嫌った、下が膨らんだ垂直尾翼/ラダーが特徴的だ。曲技機であるEXTRA300やEDGE540もそのような形になっているので、今やおなじみの形状かもしれない。

 

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  主脚。非常にシンプルなつくりだ。

 

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  主脚庫内部。さすがに前後しているだろうが、密なボルトの配置からも小型化のために苦心していたことがうかがえる。

 ところで、コルゲートチューブが気になったのだが、さすがにレストア時のものだろうか。だいたい当時の電装品を見ると、配線には布のようなものを巻き付けてあるだけだ。

 

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 エンジンカウルが外されているので、誉エンジンをしっかり見ることができる。

機首に機関砲を積んでいるため、上側には少し空間ができている。しかし、それ以外はカウルとの隙間はほとんどない。

 

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  この密度の高さを見るだけで、整備員泣かせといってもいいだろう。冷却フィンの密度も恐ろしい。ゴミ詰まったら取れなさそうだ。

 

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  潤滑オイルのタンク。ところでカウルはカムロック的なもので止めているのだろうか。よくみると、エンジンカウル取り付け孔には必ず左右にリベットがついているようだが。

 

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  プロペラスピナーも外されているので、電動式のプロペラピッチ変更機構を見ることができる。といっても、モーターが見えるくらいか。

 

 全体を見ると非常に状態がいいのと同時に、細かいところにヘタリが見られる。おそらく動かしていないエンジンの内部はかなりくたびれているだろう。

 さて、この疾風はどのあたりまで飛行に適した状態で、どこまで飛行に適さない状態なのか。どうせ調査するなら、ただ傷のあるなしだけでなく、そのあたりまで詳細に調査してもらいたいところ。

 

 

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