今年の岐阜基地航空祭では、4月に飛行したX-2が初めて一般公開されることになった。
X-2はステルス実証機として有名だが、推力偏向パドルによる高運動性技術や、
XF5エンジンの搭載など、純粋な実験機として製作された日本では珍しい機体。
もちろん、ステルス機や推力偏向パドルの技術は、世界的にはすでに実証された技術である。
しかし、それを独力で開発しておくことが、次期戦闘機開発を行う上で様々なアドバンテージとなるとの判断だろう。実際、T-2CCVの技術がF-2に生かされていたりする。
また、対ステルス機用のレーダー(レーダー群)の開発などにも活用することができそうだ。
展示は写真の通り、10mほど離れた位置から、斜めに展示された状態での見ることができた。
そのため、特徴的な偏向パドルを見ることはできなかったが、初期の報道でぼかされていた脚扉などは、特に隠されることもなく見ることができた。
すでに飛んでるし、いまさら隠すものでもないだろう。
あ、ちゃんとアレスティングフックもありますね。
キャノピーはT-4のものにレーダー反射防止のコーティングを施したものが、
脚はT-2のものがそれぞれ流用されている。
見てわかる通り、塗装そのものはステルスコーティングではなく、
いつもの試験機用の赤白塗装だ。
ただ、機体には電波を吸収するタイプの複合材が使用されており、
形状以外でもステルス性を担う設計がなされている。
一時、4時間待ちにもなっていたりと、その見学の列が絶えることはなかった。
すでに中国ではJ-20が航空ショーでの飛行を行っていたりと、昨今の航空宇宙関係の技術開発では引き離される結果となることが多い。
X-2は、2度のフライト後一度もフライトが行われていないが、岐阜基地にて機材の地上試験を行っているためだそうで、もうすぐ飛行試験が再開されるという話。
置いてけぼりにされないよう、開発を頑張ってほしいと思う。